レッスン初日
2004年9月14日、待ちに待ったレッスン初日である。仕事に向かう電車のなかでも仕事中でもレッスンのことで頭がいっぱいであった。そして仕事が終わり急いで帰宅、夕食を食べ、レッスンの時間を待つ。もういてもたってもいられない。なんとなくスイングの練習をしてみたり、部屋のなかをうろうろしたりして、家を出る時を待つ。レッスン開始の30分前、やっと出発の時である。練習場に到着したのは、レッスン開始の15分ほど前であった。家内はクラブを持っていないので、受付でピッチングと7番、それとドライバーを借りてから、レッスンの行なわれる3階へと向かった。ずいぶんと年代ものに感じられる古ぼけたクラブであった。ドライバーのヘッドも小さく3番ウッドという感じである。
どんなプロが現れるのかドキドキしながら待っていると、レッスン開始5分前になりプロがやってきた。年輩の男性のプロであった。まあ、受付の横に写真が飾ってあり見たことはあったので、「あっ、写真の人だ」という感想だった。まずは、準備体操からレッスンはスタートした。とにかくストレッチをすることが大事なんだそうである。アイアンを両手で持ったまま上に上げ、そのまま後ろへとそらせていく。そのまま手を下ろすことができれば最高なんだそうだが、それは無理だった。続いてクラブを両手で上にあげたまま身体を横に倒す運動、クラブを両手で持ったまま、今度は前後屈の前に行くだけの運動と続く。手と頭をダランと下に垂れ下がらせるので、結構腰にくる。本当に身体が硬いなあと実感する。身体の柔軟性が重要ということなのでストレッチを頑張らなければならないと感じた。
そしてアキレス腱を伸ばして、足首を回してストレッチは終了、ここからいよいよゴルフに直結する運動へと入っていく。クラブのシャフトを首の後ろに当て、両端を手で持ったまま、下半身だけを使ったスイングの練習である。「ゴルフは下半身の動きが重要なんです」といわれ、プロのやっているのをしっかりと見ながらマネをしてみる。でも、上半身が先に回ってしまったり、フィニッシュでふらついてしまったりとなかなか上手くいかず、いろいろアドバイスをしてもらいながらやっと形になってきたみたいであった。この運動は、レッスン以外の日に練習をする時にもやった方がいいと感じ、レッスン終了後もプロに詳しく教えてもらった。今でも、この運動は、練習の時や、ラウンドする前に欠かさず行なっている。また、スイングで迷った時にもこの運動に戻るようにしている。スイングが乱れてきたと感じてこの運動で下半身の使い方を確認するとその後のショットが良くなるのである。この運動は、レッスン初日の最も大きな収穫だったと言って良いだろう。
これで全ての準備運動が終了し、いよいよ実際に打つときがきた。「まずは、ピッチングで打ってみてください」といわれ、ピッチングを準備する。その時プロがかみさんの借りてきたクラブをみて、「これではなく、ご主人のクラブを使って下さい。うーん、ご主人はサンドウェッジを使ってください」というので、私はサンドウェッジに持ち替え、かみさんにピッチングを渡した。そしてプロに、「今回初めてなので、クラブの握り方を含めて基本から習いたいんです」と伝えると、「分かりました。では、全部基本からしっかりとやりましょう」と快く引き受けてくれた。
まずはクラブの握り方であるが、これまでの握り方ではまったくダメだったということが分かった。これまでの持ち方では、「スライスに飛ぶような握り方をしています」ということで早速正しいスクエアな握り方を教えてもらう。続いてスタンスの取り方である、クラブ4本をそれぞれ飛球線、それと平行になる足の位置、それから左足、右足の位置に置いてもらい、そこに立ってみてスタンスのイメージを掴む。アイアンの場合は、左足のかかと内側の延長線とボールとの間にボールがもう1個入るように立つ。ドライバーの場合は、左足のかかと内側の延長線のすぐ内側にボールを置く。これまでは、そんなことも知らず適当に立って打っていただけであった。「ゴルフはセンチメートルのスポーツなので、こういった微妙な位置関係が違うだけでミスショットにつながります」と言われ、「なるほどねえ。こういったことを知らないままいくら打っても上手くならないわけだ」と納得した。
そして下に並んでいたクラブがはずされ、実際にボールを打つ練習である。「今日は、手のことは気にしないで打って下さい。自分の上げやすいところにできるだけ高くあげるだけでいいです。重要なことは下半身を使えるようになることです」と言われる。準備運動を思い出して下半身を使って打てるようにするのが今日の課題となる。そのなかでも特に重要なことはフィニッシュをしっかりととれるようにすることであった。「まずは大枠をしっかりと作ります。それができたら中身に入っていきます」といわれ、それに納得して練習を始めた。
手の使い方についてはまったく習わないままに練習が始まると、私はこれまでにもクラブを振ったことがあるので、それなりにはボールに当たっていたが、クラブを振ったことがないかみさんはとても苦戦をしていた。手の使い方がまったく分からないので、クラブを振ってもボールに全然当たらない。たまに当たってもトップばかりなのである。でも、プロから「今は、ボールに当てることはあまり気にしないで、とにかく下半身を使えるようにして下さい。それとフィニッシュをしっかりととれるようにしてください」といわれ一生懸命練習をしていた。しかし、この手を習わないで下半身の練習だけでしばらく耐えていたことが後にとてもいい影響をかみさんのスイングにもたらすことになるのである。これと対称的に手を使って「打ててしまった」私は、かみさんのスイングが良くなってきた頃には、手打ちに悩まされることになる。そして「下手に自己流でやらないで最初にプロに習った方が良い」ということを痛感することになるのであった。
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